動悸がする
動悸とは、自分の心臓の拍動(心拍)に敏感になり、不快なものとして感じたり、違和感を覚える状態のことです。
ドキドキと脈拍を速く感じたり、ドクンドクンと鼓動が大きく感じたり、ドキドキッ、ドキッと脈が飛んだり乱れるように感じるなど、さまざまなパターンの動悸があります。
動悸は心筋梗塞や狭心症、大動脈瘤など心臓病の初期症状にあたる可能性もあり、生命に関わるような病気が隠れているかもしれません。動悸を感じたら、医療機関を受診するようにしましょう。
「動悸がする」に関連する病気のリストはこちらをご覧ください。▶
動悸の症状が現れる主な病気
心臓弁膜症
心臓には左心房・左心室・右心房・右心室という4つの部屋があり、部屋と部屋の間、部屋と血管の間にドアのように開閉して逆流を防ぐ弁があります。心臓弁膜症は、この弁がさまざまな原因によって故障し、正常に働かなくなり、血液の循環が悪くなって発症する病気です。
始めは無症状ですが、次第に階段を昇ると動悸、息切れなどが起こり、進行すると少し体を動かすだけでも呼吸困難になります。原因としては、加齢、感染、外傷、そして先天的な問題などがあります。
不整脈
不整脈とは、脈がゆっくり打つ、速く打つ、または不規則な状態になるなど、脈の数やリズムが乱れた状態です。
脈が遅いこと(1分間に50以下)を徐脈、脈が速いこと(1分間に100以上)を頻脈といいます。
不整脈は、たとえば運動や精神的興奮、睡眠不足などでも現れ、大半心配することはありません。
しかし、病気に由来する不整脈もあり、心筋梗塞など危険な病気が原因で起こることもあるので注意が必要です。
貧血
貧血とは、血液中の赤血球の中にある、酸素を運ぶ役割のヘモグロビンの濃度が低くなった状態を指し、動悸、息切れ、疲れやすい、全身倦怠感、顔面蒼白、めまいなどさまざまな症状が現れます。
貧血には鉄やビタミンの欠乏による栄養障害をはじめいくつもの種類があり、その原因も多彩です。がんそのものや、がんの治療が背景にある場合もあるため、貧血が起こったら検査を受けるようにしてください。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが出過ぎて働きがつよく出る病気です。動悸、頻脈、たくさん食べるのに体重が減る、発汗過多、手のふるえ、甲状 腺が腫れる、集中力がないなどさまざまな症状が現れます。
多くの場合、甲状腺は腫れて大きくなりますが、腫れの程度と病気の強さは必ずしも一致しません。
甲状腺機能亢進症のひとつのバセドウ病では、5人に1人程度の割合で病眼球が突び出したようになる症状があります。
パニック障害
特別な原因もなく突然、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。
このパニック発作は、動悸や頻脈、胸が苦しい、ふるえ、冷や汗、めまい、吐き気などを伴い、死んでしまうのではないかと思うほど強く、自分ではコントロールできないと感じます。
最初の発作は長くは続きませんが、また発作が起きたらどうしようかと不安になり、とくに、電車やエレベーターの中など閉じられた空間では「逃げられない」と感じて、外出ができなくなることがあります。
パニック障害では、薬による治療と心理療法が有効ですので、心療内科や精神科を受診するようにしましょう。
動悸を伴う主な病気
・心臓弁膜症 ・急性心不全 ・心筋炎 ・肥大型心筋症 ・徐脈頻脈症候群 ・房室ブロック
・期外収縮 ・発作性上室性頻拍 ・心房細動 ・心房粗動
・甲状腺機能亢進症 ・低血糖症 ・鉄欠乏性貧血 ・慢性骨髄性白血病
・褐色細胞腫 ・パニック障害・COPD ・心臓神経症 ・過換気症候群
・更年期障 ・起立性低血圧症 ・全般性不安障害