血を吐く(吐血・喀血)

同じように血を吐くといっても、出血している場所によって「吐血(とけつ)」と「喀血(かっけつ)」に分けられます。
吐血、喀血は、どちらも血を吐いた状態を指す言葉ですが、その原因はまったく異なります。
吐血とは、胃や食道、十二指腸などの消化管からおこる出血を指し、喀血とは、肺や気管支から出血がおこるものです。
吐血も喀血も、緊急性の高い症状ですのでできるだけ早く病院を受診しましょう。

「血を吐く(吐血・喀血)」に関連する病気のリストはこちらをご覧ください。▶

吐血(とけつ)について

吐血は、主に胃の内容物などと一緒に消化管(口~十二指腸)から出血した血液が吐き出されることをいいます。
吐物のなかに血液がわずかに混じっている場合や、口腔、咽頭、鼻腔からの出血は吐血ではありません。
胃潰瘍や胃がんによる出血が一般的ですが、強い胃炎や食道炎でも吐血することがあります。
また、肝硬変に伴う食道静脈瘤の破裂の場合も、大量の吐血を伴うことがあります。

吐血の原因となる主な病気

肝硬変による食道静脈瘤破裂、食道炎、食道潰瘍、マロリー・ワイス症候群、食道がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、出血性胃炎などが代表的な病気です。
高齢者の吐血のなかで、最も多くみられるのが胃潰瘍です。

喀血(かっけつ)について

喀血とは、せきとともに、鼻やのどを除く気道や肺から出血した血液が吐き出されることをいいます。
痰に血液が混じる場合は血痰(けったん)といい、喀血ではありません。
原因としては、肺炎、肺がん、肺結核、肺梗塞、非結核性抗酸菌症、気管支拡張症、心不全などさまざまな病気が考えられます。
多量の喀血の場合は、窒息等する場合もありますので、できるだけ早く受診しましょう。

喀血(かっけつ)の原因となる主な病気

気管支拡張症、肺結核、肺がん、急性肺水腫、肺化膿症、肺真菌症、肺炎、肺塞栓、うっ血性心不全、喉頭がんなどがあります。

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