腰椎椎間板ヘルニア

背骨と背骨の間にはクッションの役割をする椎間板という構造があります。腰椎椎間板ヘルニアとは、この椎間板が潰されて、内部にある髄核(ずいかく)が後方に押し出され、神経を圧迫するために痛みが起こる病気です。
椎間板は外側が維輪(せんいりん)と呼ばれる軟骨組織で、内部は水分をたくさん含んだゼリー状の「髄核」でできています。加齢などにより線維輪が弾力を失うと小さな亀裂が入り、髄核の一部が外に飛び出してしまいます。押し出された髄核が神経を圧迫して痛みが生じるのです。
この状態を放置していると、腰やお尻から下肢にしびれや痛みが広がり、力が入りにくくなります。
通常は腰痛やいわゆる「ぎっくり腰」のような症状が数日みられ、これに続いて下肢へと激しい痛みがでます。痛みは激烈なものが多く、数日はほとんど満足に動けなかったり、睡眠も妨げられるほどの痛みとなります。時には排尿排便障害がみられることもあります。
しかしながらこの痛みは2-3週間でピークを迎えることが多く、その後は下肢へと放散する鈍痛がみられ、徐々にこれが薄らぐ経過をとります。

腰椎椎間板ヘルニアは、悪い姿勢での作業や、喫煙などにより起こりやすい病気で、20代から40代の働き盛りの男性に多くみられます。

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