便 秘

便秘とは、便を十分にかつ快適に出し切れない状態です。
便通は、毎日あるのが健康な状態です。3日以上なかったり、便が硬くなり、また便の量が少く残便感がある状態を便秘と呼びます。
女性に多く、排便が困難になるほか、腹痛、腹部膨満感、食欲不振などの症状もあらわれます。肌荒れや肩こりなど、全身に影響が出ることもあります。
便秘でも、強い腹痛や吐き気、発熱などを伴う場合は、腸閉塞や潰瘍性大腸炎、クローン病などの病気も考えられます。
また便に血が混ざる場合は、痔じかも知れませんが、大腸がんや直腸潰瘍の可能性もあります
これらの場合は、すぐに医療機関を受診してください。

「便秘」に関連する病気のリストはこちらをご覧ください。▶

便秘のタイプ

便秘の原因は幅広く、原因が違えば治療法も異なります。
原因別に4タイプの便秘に分けて説明します。

機能性便秘

大腸や直腸の働きの異常による便秘。
生活習慣の乱れやストレス、加齢などによて、大腸や直腸・肛門の働きが十分でなくなって起こる便秘です。

弛緩性便秘
大腸を動かす筋肉が緩んで、ぜん動運動が弱まると、なかなか便が運ばれないので便秘になります。
便秘の中でも頻度が高く、女性や高齢者に多い便秘です。
おなかが張る、残便感、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状があります。
原因としては運動不足、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、極端なダイエットなど。

痙攣性便秘
大腸の過緊張や、ストレスなどで起こると考えられている便秘です
大腸のぜん動運動に連続性がなくなり、便の通過に時間がかかり過ぎて起こります。
コロコロとしたタイプの便になったり、食後の下腹部痛や残便感などもあり、便秘と下痢をくり返すことも多いです。
原因としては精神的ストレス、環境の変化、過敏性腸症候群などが挙げられます。

直腸性便秘
便意を習慣的にがまんしていると、便が直腸に達しても神経の感度が鈍ってセンサーが働かず便意を催さなくなり、便が停滞してうまく排便できなくなります。高齢者や寝たきりの人や、痔や恥ずかしさなどにより排便を我慢する習慣がある人に多い。女性が便秘しがちな理由の一つです。

器質性便秘
便の通過が物理的に妨げられる便秘。
大腸がんや手術後の癒着、炎症性疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)などが原因で、大腸の中を便がスムーズに通過できず、通過障害が起こる便秘です
血便、激しい腹痛、嘔吐などがあればすぐに病院へ行きましょう。
器質性便秘は、まず原因となている病気を治すことが必要です

症候性便秘

全身の病気の症状として起こる便秘
内分泌疾患、膠原病、神経疾患などの基礎疾患が原因で、便秘が生じることを症候性便秘と呼びます。代表的な病気は、糖尿病、甲状腺機能低下症、パーキンソン病など全身性疾患の部分症状として生じる二次的な便秘です
病気ではありませんが、女性の場合、生理や妊娠中にホルモンの影響により、便秘になりやすくなります。

薬剤性便秘

薬の副作用が原因で起こる便秘
抗うつ薬、抗コリン薬、せき止めなどは大腸のぜん動運動などが抑制されて便秘になることがあります。 また、下剤の乱用などが挙げられます。

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