胸が痛い(胸痛)

胸部には、肺、胸膜、心臓、骨、神経、筋肉、一部の消化器臓器があり、胸の痛みの原因としてさまざまなな原因が考えられます。「胸痛は怖い」と、いたずらに心配する必要はありませんが、胸が激しく痛む場合は、すぐに病院で診察を受けてください。緊張性気胸、急性冠症候群、大動脈解離、肺塞栓症などは、命を左右する緊急性の高い病気です。

「胸が痛い」に関連する病気のリストはこちらをご覧ください。▶

緊急性の高い胸痛

狭心症

心臓は全身に血液を送る筋肉のポンプの役割をしています。そして心臓がずっと動き続けるために、心臓の筋肉に栄養素っているのが冠動脈です。この冠動脈の内腔が狭窄して心筋への血流が阻害され、酸素不足になる、胸の痛みなどを起こすのが狭心症という病気です。
胸が締めつけられたり、強く押さえつけられたり、胸が焼けるように感じるなどの症状が現れ、また、のど、上腹部、背中の痛みや、左肩から腕にかけてのしびれやを感じることもあります。
冠動脈が細くなる原因としては、冠動脈が動脈硬化を起こしたり、冠動脈がけいれんして収縮するなどがあげられます
痛みは通常、数分以内に治まりますが、毎日のように発作が続いたり、1日に何度も起こるようなら、すぐにでも専門医を受診しましょう。

急性心筋梗塞

心筋梗塞とは心臓の周りを取り囲むように走行し、心筋細胞に血液を供給している冠状動脈の内腔が完全にふさがり、心筋細胞に血液が届かなくなり、心筋が壊死してしまう病気です。
症状としては前胸部や胸骨下に激しい胸痛や圧迫感が感じられ、あごの下や首、左上腕、みぞおちあたりまで痛むこともあります。痛みは30分から数時間も続き、冷や汗、吐き気・嘔吐、呼吸困難、意識障害などを伴います。
ただし、高齢者の場合は胸痛が現れず、息切れや、吐き気などの消化器症が出ることもあります。
急性心筋梗塞は狭心症が進んで発症するケースが約半分です。症状が普段よりも強くなったり、発作の頻度が増えた場合は、急性心筋梗塞に移行する可能性が疑われるので、すぐに専門医を受診しましょう。
そして残りの半分は、何の前兆もなく突然、急性心筋梗塞が発症するケースです。急に発症する場合は、激しい胸痛がある重篤感をうことが多く、特に注意が必要です。

大動脈解離

大動脈解離とは、大動脈を構成する内膜、中膜、外膜のうち内膜が破れることによって中膜に血液が入り込み、大動脈の壁が内膜と外膜に解離、すなわち分離されてしまう病気です。
突然発症する場合、急性大動脈解離と呼ばれ、すぐに対処する必要がある救急性を要する疾患です。
この急性大動脈解離は、急に引き裂くような激しい痛みを胸や背中に感じたり、また、手足が激しく痛むこともあります。
生活習慣が乱れると、心臓を巡る冠動脈が硬く、狭くなり、狭心症や心筋梗塞の要因になります。脂肪分や塩分の多い食偏った食事、過飲、運動不足、過労、喫煙、ストレスを貯めこむなを避けて、生活習慣を見直すことが何より大切です。

肺動脈血栓塞栓症

下肢などの静脈内で血液が凝固してできた血栓が、心臓から肺に血液を送る肺動動脈につまるために起こる病気です。
長い時間座っていた人が急に歩き始めた後に、急に息苦しくなったり、めまいや失神が起こるなどのケースは、この病気が疑われます。一般には、エコノミークラス症候群(旅行者血栓症)ともいわれてます。
大きな血栓が肺動脈を塞ぐと、酸素を取り込めなくなったり心臓から血液を押し出せなくなり、突然死の原因にもなることがあります。

胸膜炎

胸膜とは、両肺の表面をそれぞれ覆う2枚の薄い膜で、この膜に炎症が起きて、胸膜の間に胸水という液体がたまる疾患を胸膜炎といいます。主な原因は細菌感染や結核などの感染症で、悪性腫瘍、膠原病、肺梗塞、石綿肺、うっ血性心不全などによっても発症します。
主に、胸の痛みや呼吸困難、発熱、咳といった症状が現れ、胸の痛みは大きく息を吸ったときに強くなるのが特徴です。

胸が痛くなる主な病気

心臓や血管の病気
・狭心症・急性心筋梗塞・大動脈解離
肺や胸膜の病気
・緊張性気胸・肺炎・肺動脈血栓塞栓症・・胸膜炎
神経・筋肉・骨の病気
・肋骨骨折・帯状疱疹・肋間神経痛
消化器の病気
・逆流性食道炎
心因性の病気
・心臓神経症

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