息切れする、息苦しい

なんらかの原因でカラダが必要とする酸素量を供給できなくなり、血液中の酸素が不足すると息切れが起こります。健康な人でも、階段を登ったり、激しい運動をすると息切れしますが、まずそれで不快になることはありません。
病気を疑う必要のある息切れは、息がしにくくなる不快な感覚のことです。
疾患が原因の息切れは、呼吸器や循環器の異常、酸素を運んでいる赤血球の不足(貧血)などによって生じます。
息切れには、息がつまる、息苦しい、胸が圧迫される、空気がほしい、呼吸が重い、呼吸困難、努力しないと呼吸ができない、呼吸が浅い、十分に息を吐けない、呼吸が早いなどさまざまな表現があります。

「息切れする、息苦しい」に関連する病気のリストはこちらをご覧ください。▶

息切れを起こす主な病気

気管支喘息

気管支喘息は、ヒィーヒィー、ゼーゼーという音をさせながら発作を繰り返す病気です。発作は夜中から明け方にかけて多く起こります。
気管支喘息は、気管支の慢性的な炎症が原因で、ちょっとした刺激を受けるだけでも気管支の壁が腫れたり、粘液が分泌されたり、気管支の周りの筋肉が縮んで気管支が狭くなり発作が起こります。
炎症を治さない限りいつまでも発作を繰り返し、重症の場合は、命に関わることもありますので病院で適切な治療を受けましょう。

過換気症候群

換気症候群は、何かのきっかけで急に息が吸いにくくなり、胸が苦しくなってきて、呼吸をしすぎて酸素を吸いすぎ、呼吸困難を起こす疾患です。
呼吸困難の症状が現れると、さらに不安が強くなり、浅く速い呼吸を続けるといった”悪循環”に陥ってしまい、それが過換気発作でそれが繰り返し起こる疾患が過換気症候群です。
不安やストレスなどによって起こり、比較的若い女性に多くみられます。また、几帳面や心配性の性格の人に多いとも言われています。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDとは、肺の生活習慣病とも言われている、慢性閉塞性肺疾患という病気のことです。
最大の原因は喫煙で、受動喫煙も発症の原因となります。また、粉じん、大気汚染、乳幼児期の呼吸器感染、遺伝なども原因としてあげられます。
タバコの煙や化学物質などの有害物質を吸引すると、気管支の組織が炎症を起こし、たんが溜まることで空気が通りにくくなり、また肺胞が破壊されて酸素をうまくとりこめなくなります。
典型的な症状は、慢性のせき・たん・息切れです。少しの動作で息切れしやすい、黄色や粘り気のあるたんが出る、一日に何度もせきが出る、などの症状がある方は、COPDの可能性があります。

緊急の高い息切れ

急性心不全

さまざまな原因で心臓の機能が低下し、全身の血液の流れが滞った状態を心不全といいます。
つまり、心不全とは、病名ではなく「状態」のことです。
急性心不全は、急性心筋梗塞や心臓弁膜症、拡張型心筋症、甲状腺機能亢進症などが原因で発症します。。
症状としては、突然、激しい呼吸困難が現れ、同時に咳と痰が出ます。心臓の機能が急に弱まることで、血圧が維持できなくなり、低血圧が急激に進み、ショック状態となります。
急性心不全は、命にかかわる緊急を要する病気です。すぐに救急車を呼ぶか、病院へ連れて行く必要があります。

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