吐き気・おう吐

吐き気は、みぞおちや胸のあたりがムカムカする不快な症状で、病気やストレスなど、身体や心に起こる異変によって生じます。
風邪をひいたときや、極度に緊張したときに起こる一時的な吐き気は、比較的早く症状が治まるので、あまり心配はいりません。
しかし、何日も吐き気が続く場合は要注意。消化器系の病気で起こることが最も多く、胃腸炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、胃がんのや、腸閉塞(イレウス)などの病気の可能性があるので、専門医を受診しましよう。

「吐き気・おう吐」に関連する病気のリストはこちらをご覧ください。▶

吐き気の原因となる主な病気

胃腸炎

吐き気が続く原因としてもっとも多いのが胃腸炎です。
胃腸炎とは、なんらかの原因により、胃や小腸、大腸に炎症が起こり、下痢や腹痛を起こす疾患の総称です。
原因には食べ過ぎ、刺激物の摂りすぎ(脂肪分、アルコール、辛いものなど)、感染(最近やウイルスなど)、ストレス、自己免疫や炎症性腸疾患(IBD)などさまざまな原因があります。

急性胃炎

胃の粘膜に急性な炎症が起こる病気で、みぞおちに突然の痛みやむかつき、吐き気などの症状が現れるのが特徴です。
軽い症状が続くだけのものから、嘔吐などを伴い、いつまでも不快感が続くものもありますので、自己判断は禁物です。
特に出血多量のときには、出血性ショックを起こす可能性も高まりますので、早急に医療機関を受診しましょう。

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎の原因の多くは、ウイルスや細菌などが付着した状態で食品や水分を摂取することによる感染です。
夏季には細菌性腸炎が、冬から春にかけてはウイルス性腸炎が多く発生します。

胃潰瘍

本来ならば、胃の粘膜は粘液のバリア機能によって守られているのですが、なんらかの原因により、胃潰瘍胃の粘膜が深く傷つき、粘膜が一部窪んでいる状態が胃潰瘍です。
特に胃が活発に動いたときに、吐き気・嘔吐の他、腹痛、胸やけなどの症状を伴います。
食べ過ぎ、飲み過ぎ、ストレスや、ピロリ菌の感染などが主な原因です。

十二指腸潰瘍

なんらかの原因により、十二指腸の粘膜が深く傷つき、粘膜が一部窪んでいる状態を、十二指腸潰瘍と呼びます。
吐き気・嘔吐、腹痛などの症状を伴い、これらの症状が、空腹時や夜間に現れやすいのも特徴です。
過労やストレスなどが原因と言われており、進行すると潰瘍から出血し、下血を起こすことがあります。

逆流性食道炎

胃酸が食道に逆流し、食道の粘膜に炎症をきたすのが、逆流性食道炎です。
飲酒・喫煙、加齢、食生活の欧米化などが原因で、慢性的な吐き気、胸のむかつき、喉の痛みなどの症状があります。
放置していると、食べ物をうまく飲み込めなくなるなどの大きな支障が起こります。
▶逆流性食道炎のページ

腸閉塞(イレウス)

異物や炎症、腫瘍などにより腸管が塞がれた状態や、開腹手術などで腸管が麻痺して腸の蠕動運動が障害された状態を指します。腸の機能が十分に働かなくなり消化物が流れす、排出がうまくいかなくなって、閉塞部位より上部(口側)に多量の消化物がたまります。
腹痛、嘔吐、腹部の膨満や、ガス(おなら)や便が出なくなるなどの症状を伴います。
場合によっては手術が必要となることもありますので、早期の受診、治療が必要です。

胃がん

胃がんは、胃壁の内側にある粘膜に発生します。内側の粘膜から徐々に粘膜下層、固有筋層、漿膜へと外側に向かって、がんが広がっていきます。がん細胞が粘膜にとどまっているものを「早期胃がん」といい、より深く達したものを「進行胃がん」といいます。
胃がんは、吐き気の他、胸やけ、食欲不振、腹痛などの症状を伴いますが、症状が必ずしも現れるわけではなく、無症状のまま進行することもあります。
胃がんのおもなリスク要因としては、塩分の取りすぎ、喫煙、ピロリ菌、多量の飲酒などが指摘されています。
初期のうちに発見・治療するために、定期的な胃カメラ検査がを受けましょう。

食中毒やウイルス性胃腸炎

食中毒やウイルス性胃腸炎は、体内に侵入した細菌・ウイルス(ノロウイルス、ロタウイルスなど)によって、吐き気や嘔吐が引き起こされる病気です。
感染した器官、細菌やウイルスの種類によっては、発熱・下痢などの症状を伴います。
すぐに吐いてしまうなど水分摂取ができない場合は、脱水症状のリスクが高まります。
すぐに医療機関を受診して、点滴などにより脱水症状を防ぎましょう。

それ以外の身体の病気

肝炎、胆石症、膵炎、脳血管障害、尿路結石、▶急性心筋梗塞▶糖尿病▶メニエール病、緑内障

その他の要因

薬の副作用、精神的なストレスの蓄積、妊娠時のつわり

前の記事

腰痛

次の記事

頭痛(そのタイプと病気)