麻痺がある

麻痺とは、脳や脊髄から末梢神経までの運動神経や、筋肉のどこかに障害が起こり、身体の一部、あるいは全部が思い通りに動かない、という状態です。
麻痺は、症状が出る部位により「片麻痺(かたまひ、へんまひ)」「対麻痺」「四肢麻痺(手足全部の麻痺)」「単麻痺」に分けられます。

「麻痺がある」に関連する病気のリストはこちらをご覧ください。▶

麻痺の見られる部位と、主な病気

片麻痺(かたまひ、へんまひ)

体の右半身もしくは左半身の麻痺で、脳の病気でよく見られる麻痺です。

■脳血管障害
原因の多くは脳血管の障害で、突然、片麻痺が発症した場合、脳出血や脳梗塞の可能性が高いです。
突然、激しい頭痛が起こる膜下出血でも、片麻痺が現れることがあります。

■一過性脳虚血発作(麻痺がは数分以内、長くても24時間以内治まる)は脳梗塞の前触れとして見逃せない症状です。

■慢性硬膜下血腫(徐々に起こる片麻痺)は、頭部に外傷(軽度のものを含む)を受けて約1~3カ月経過してから現れる麻痺
▶慢性硬膜下血腫のページ

脊髄の病気でも半身の麻痺は見られますが、通常は麻痺した手足と逆の手足にもしびれ、痛みなどを伴います。

対麻痺

両側の下肢(両足)の麻痺で、脊髄の病気が中心で稀に末梢神経の病気でみられます。
両足に麻痺が見られますが、最初は片足に麻痺が見られます。

■急に起こる場合は急性脊髄炎や脊髄の血管障害、徐々に起こるなら脊髄の腫瘍などが疑われます。

■多発性硬化症は、特定疾患に指定されている神経難病のひとつで、対麻痺だけでなく片麻痺、四肢麻痺、単麻痺などのさまざまな症状を発症します。
▶多発性硬化症のページ

四肢麻痺(手足全部の麻痺)

脊髄の病気が中心で稀に末梢神経の病気でみられます。対麻痺は両足に麻痺が見られますが、最初は片足に麻痺が見られます。このように、複数の手足の麻痺も最初は1本の手足から始まることが一般的です。

ギラン・バレー症候群

末梢神経が原因で、急に発症し、数日で次第に手足が動かなくなる病気です。
麻痺は、ごくわずかな対麻痺の場合もあれば、四肢の完全な麻痺までみられます。
2~4週間で進行がとまり、3~6カ月でほぼ治りますが、神経軸索突起までダメージが及んでしまった場合は、神経細胞の回復が非常に遅くなるので回復に時間がかかります。

重症筋無力症

筋肉の力が弱くなる病気で、同じじ筋肉を何回も動かしていると筋肉に力が入らなくなるのが特徴です。重症筋無力症は、厚生省の特定疾患(難病)に指定されています。
疲れやすく、朝は症状が軽く夕方になると重くなる、複視、上まぶたが垂れる(眼瞼下垂)などの症状が現れます。

単麻痺

左右どちらかの上肢または下肢片手もしくは片足)だけの麻痺で、末梢神経、大脳皮質などの障害が原因です。

正中神経麻痺(手根管症候群)

上肢(肩~手指)にある正中神経が圧迫されて引き起こされます。ケガ・スポーツ外傷・骨折・神経の炎症・ 糖尿病などが原因として挙げられます。特に、手首にある手根管の部位に出やすく少しの圧迫でも神経への影響があります。
▶手根管症候群のページ

腓骨神経麻痺

下腿の外側から足趾背側にかけて感覚が障害され、しびれたり触った感じが鈍くなります。
足首が上に曲げられなくなり、足が垂れ下がったままになってしまいます。(下垂足)
仰向けで寝た状態が続いたり、ギプス固定をしている際に膝の外側に強い圧迫をされるなど、外部から膝の外側への圧迫により生じることが多いです。

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